知的障害者の移動介護ボランティア

私は大学時代に知的障害がある方の移動の介護のボランティアをしたことがあります。移動の介護とは、病院への付き添い、就労場所からグループホームまでの送迎、買い物や余暇活動時の付き添いと言った内容です。

 

NPO法人でのボランティア

私が所属したNPO法人では重度の知的障害がある方が多く利用しているので、言葉でのコミュニケーションは難しくジェスチャーなり顔の表情などでその人が今、どのような気持ちでいるのか、お腹が空いているのか、トイレに行きたいのかなどを理解しなければなりませんでした。ですから、時に利用者の方に不快な思いをさせたりしてしまったこともあります。

 

コミュニケーションの取り方

移動の介護のボランティアを始めて3年以上がたち、ある程度利用者の方とも信頼関係が築けてきたかなと思っていた時、私はとあることに気づきました。それは、コミュニケーションというのは言葉の文字通りのキャッチボールではなく内容のキャッチボールなのだと。どういうことかと言いますと、ある利用者の方と電車での小旅行を行うことになったとき、私は路線図を見て合理的に目的地に着けばいいものだと思っていました。ですが、その方は途中で何度も乗り換えをしてもっとも遠回りで目的地に向かうという計画を立てていたのです。つまり、依頼の時点でお互いに認識のズレが生じていました。A駅からB駅への行き方は色々あるのですが、合理的に最も早い手段で行くものだと依頼があったときに私は思っていました。ですが、その方は遠回りでの計画を立てていたので、言葉でコミュニケーションが取れる利用者の方でも言葉通り受け取っては行けないということをその時に認識しました。言葉で会話がある程度できるからこそその人の思いや目的、伝えようとしている内容に目を向けていかないと、利用者の方を本当に理解することはできないなと思いました。

 

貴重な経験

「電車でA駅からB駅に行きます」。このとこをそのまま受け取ってしまった私。大学で異文化間コミュニケーションを学んでいた私にとって、このことはとても貴重な経験となりました。